青蝶夢 *Ⅰ*
「ヨシノ・・・」

「黙って・・・
 
 俺にくれないか」

「何を?」

「お前の愛・・・」

貴方にあげられるもの・・・

それは、この愛以外
何も無い。

犯されるように抱かれても
それでも、嬉しいのは

貴方を愛しているから

私の中で、果てる貴方を

私は、愛しくて堪らない。

一晩中、求める貴方を
私は受け入れる。

部屋の外に、喘ぐ声が
洩れないように

私は、右手の人差し指を
噛み続ける。
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