青蝶夢 *Ⅰ*
貴方は言う。

「ヒイロ
 お前の声、聞きたい」

深い夜に、微かに聞こえる

私の声・・・

こんな深夜に、眠らずに
持ち帰った仕事を片付けていた
貴方は、紙を丸めてゴミ箱に
捨てた。

そして、両手で顔を覆い
その手は耳を塞ぐ・・・

『それは

 罪悪感から・・・
 
 それとも
  
 私を好きだから・・・』

好きだから・・・

私は、眠る貴方の髪を
優しく撫でてあげた。

そして、囁く。
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