青蝶夢 *Ⅰ*
私は、閉じた目蓋に

両手を押し当てた。

涙が、出ないように・・・

強く

指先を押し付ける。

『俺にくれないか
 
 お前の愛』

本当は、私だって

貴方の愛が欲しい。

欲しいよ・・・

裸のままで眠る、貴方の胸に
そうっと、手を置いた。

ドクドク・・・

ドクドク・・・

左胸から、振動が伝わる。

私の手が、どんどん熱くなる。
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