青蝶夢 *Ⅰ*
大人の味

抱かれる喜び

「ヒイロ、おはよう
 今朝は、早いな
 
 あっ、もしかしたら
 さっきの
 ドアの音で起きたのか?」

「おはよう・・・」

タオルから覗く私の瞳に
伊吹さんに寄り添う茅野さん
の姿が見えた。

「うそっ
 それなら、ごめんなさい
 私のせいだぁ
 ごめんね」

「本当、カヤノ
 人騒がせな
 
 お前のせいだ」

「ごめんなさい・・・」

「反省してるから
 許してやってよ
 もともとは、この俺が
 怒らせたのが原因だし・・」

「そうだよ
 イブキが悪いんだよ
 
 せっかく逢いに来たのに
 仕事休めないとか
 言うからぁ」

二人の会話は
私なんてお構いなしに
どんどん進んでいく。
< 184 / 434 >

この作品をシェア

pagetop