青蝶夢 *Ⅰ*
「そうかなぁ、それぐらい
 だと思うけど・・・
 それに、制服なんだから
 ヒイロちゃんに言っても
 仕方ないんじゃないの

 何、食べようかなぁ」

手を放してくれない、芳野。

「手、放して・・・」

芳野は、手を放さずに
私を見つめる。

「ヨシノ、ヒイロちゃん
 困らせちゃ駄目だよ
 仕事中なんだから・・・」
 
「ヒイロ
 写真、撮ってもいいか?」

「えっ?」

そう言って、芳野は私の
手を引いて、自分の隣の
椅子に座らせた。

「カヤノ、これで
 二人の事
 写真に撮ってよ」

芳野は、携帯電話を
茅野に渡す。
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