青蝶夢 *Ⅰ*
ドキドキ・・・

「そうかなぁ?」
 
「でっ、お前
 こんな所で、何やってんの?
 仕事、戻っていいよ
 
 注文、決まったら呼ぶから」

芳野は手で、あっちへ行けと
ばかりに、私を追い払う。

「何よ、制服姿を見たら
 もう私には用は無い
 って訳・・・」

怒った表情でブツクサと文句を
言いながら歩く、私の顔を
至近距離で、覗き込むのは
伊吹さんだった。

「ヒイロ
 何かあったのか?」

「うわ、イブキさん
 びっくりしたぁ」

「二人は
 もう、着いてる?」

「はい、ご案内しますね」
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