青蝶夢 *Ⅰ*

大人の味

「カミヤさん
 あちらの方達と
 知り合いなの?」

そう、話しかけてきて
くれたのは、私と同じ日に
一緒に、新しくバイトに入った
ウェイターの中辻君だった。

「うん、そう・・・」

「モデルか、何かの友達なの?
 業界の人だったりして」

「えっ、違うよ
 みんな、一般の人だよ」

「本当・・・
 カミヤさんはモデル
 なんだよね?」

「違うよ、何言ってる・・・」

「えっ、違うの?じゃあ・・
 あれは、何だったんだろう?
 君がバイト、休みの日に
 君の事をお店で探してる人
 がいて、話を聞いたら
 モデル事務所の人だって
 言ってた、確か
 あんな感じの・・・
 あっ、間違いない
 あの人だ」

見覚えのある男性が、微笑み
ながら、私の方へ歩いて来る。

「やっと、逢えたね
 君の事、探したよ」
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