青蝶夢 *Ⅰ*
「お前、どうして・・・
 
 昔のお前はそんな奴じゃ
 無かっただろう

 もっと、温かい心を
 持った男だった
 
 もう、以前のお前には
 戻れないのか?」

「ああ、もう無理だ」

私は、そんな出来事が
起こっている事も知らずに
愉快に話す三人の元へ
着替えを済ませて急ぐ・・

私の瞳に、貴方が映る・・

扉を開けて、出て行く
芳野の姿が・・・

「ヨシノ?」

私は、彼の後を追い
大きな声で彼の名を
呼んだ。

「ヨシノ

 どうしたの?
 
 ・・・どこに行くの?」

芳野は、高級車のドアに
手をかけて、振り返る。
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