青蝶夢 *Ⅰ*
その車・・・
何となくだけど分かるよ。

その車の中には
真赤なルージュがよく似合う
女性が乗っているはず・・・

「ヒイロ、悪い
 用事ができた
 
 イブキ達と何かうまい物
 食って帰れよ」

「待って、お願い」

芳野が行ってしまう・・・
 
「行かないで、ヨシノ」

車のドアに手をかける
貴方の背中に、私は必死に
しがみ付いた。

貴方を誰にも渡したくない

私以外の誰にも

触れてほしくない。

「お願い、ヨシノ
 行かないで
 私の傍にいて
 
 私だけの
 貴方でいてほしい

 ねぇ、お願い
 あなたの愛が
 ・・・欲しいの」

これが、私の本音・・・
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