青蝶夢 *Ⅰ*
楽しげに食事を取る人達の
賑やかな声、弾む食器の音

食欲をそそる
美味しいそうな香り
料理が運び込まれた時の笑顔

そんな、幸せな気分になれる
場所で、涙を流すなんて
あまりにも場違いで
相応しくない。

私は、泣かないように
唇の端を噛んだ・・・

『お前の元にも

 もう二度と戻らない』

悲しくなんかない

ほらっ、大丈夫・・・

『ヒイロ、辛くないか?』

どうして、伊吹さんの
言葉なんて思い出すの?

涙が出そう・・・

駄目だ、我慢しなきゃ

涙が溢れる・・・

この場所に似合わない

私を、消してしまいたい。

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