青蝶夢 *Ⅰ*
ヨシノ・・・

貴方の事が心配で堪らないの。

お願いだから、伊吹さんから
の電話に出てください。

貴方の声を聞かせてください。

食べ残った料理を片付けながら
伊吹さんは呟く。

「ヨシノの奴
 
 ちゃんと、飯
 食ってるかな・・・」

二人の想いは

貴方には届かない

届かない・・・

私と伊吹さんが、この現実を
受け入れるまでには
約一ヶ月の時間がかかった。

止まったままの時間が
今また、進む。

貴方は、もう

ここへは
帰っては来ない。

私の元へは
戻っては来ない。
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