青蝶夢 *Ⅰ*
気になる女性にとても
よく似た人・・・

妖艶な芳野の瞳に見つめられて
正気でいられる奴はいない。

彼から逃れる事なんてできない

男は、芳野のグラスを手に持ち
飲みかけの酒を一気に飲み干す

そして、芳野の唇に

口づけた。

触れる唇・・・

遠い昔、これと同じような
光景があった。

酒に酔ったお前は言う・・・

「カヤノ、キスしていい?」

離れる唇から、言葉が洩れる。

「痛っ
 髭、痛すぎ
 
 やめた
 気分じゃなくなった」
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