青蝶夢 *Ⅰ*
その為
我儘な茅野に振り回される
伊吹は、学校もサボりがち
になり、早退して帰る事も
度々。

そんなある日
授業が始まる前に、芳野は
伊吹の家へ向かった。

いつもどおり、鍵は

開けられたまま・・・

無用心な奴

「イブキ、居るのか?
 入るぞ」

誰も見ていないのにテレビ
は付けられたまま・・・

テレビの電源を切った芳野は
閉まっていた襖を開けた。

「イブキ
 まだ、寝て・・・
 
 うわ、ごめん」

芳野は慌てて、襖を閉めて
背中を向けた。

「ヨシノのバカ
 ノックぐらいしなよ」

そう言って、起こっている
のは茅野だった。
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