青蝶夢 *Ⅰ*
「ヨシノ
 何か用があったんだろう?」

芳野は、その姿に見惚れる。

そして、生まれて初めて
男性を色っぽいと思うのだった

色香漂う伊吹は、戸惑った
表情で芳野を見つめる。

お前は
そんなにも悩ましい瞳で
カヤノを見つめるのか?

やめろ・・・

カヤノを見るように

俺を、見るなよ。

「何でも、ねぇよ
 今日は、ちゃんと
 学校来いよ
 
 じゃあ、後で・・・」

「ヨシノ、ごめん
 誘いに来てくれたのに
 お前には悪いが
 今日は、学校へは行けない
 
 今日は、カヤノの誕生日
 だから、一緒に居てやる
 約束してるんだ」
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