青蝶夢 *Ⅰ*
カヤノの誕生日は

俺の・・・

たんじょうび・・・

何か、ムカツク・・・

俺が、ドアを思いっきり
蹴飛ばした音が
アパート中に響き渡る。

「ヨシノ・・・」

俺によく似た、お前は

伊吹に抱かれて

どんどん、綺麗になる。

俺なんて、お前の

足元にも及ばない。

俺は、ボソっと呟いた・・・

「カヤノ
 イブキの夢の邪魔
 してんじゃねぇぞ」

伊吹の部屋を後にした芳野は
もう、あの場所には自分の
居場所なんて無い事を知る。
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