青蝶夢 *Ⅰ*
疲れた表情の
会社帰りのサラリーマン。

腕を組んで、何度も見つめ合い
微笑み合いながら歩く恋人達。

携帯電話を手に、こんな時間に
夜道を歩く、塾帰りであろう
子供達。

振り返り、どこへ向かうか
確認を取りながら歩く
団体さん。

そんな人々をずっと眺めていた
私のお腹がグーッと鳴った。

「ヒイロ、うまい晩飯
 作って待っててやる
 
 だから
 早く帰って来いよ」

今朝の伊吹さんの声

帰りたい・・・

だけど、帰れない・・・
< 288 / 434 >

この作品をシェア

pagetop