青蝶夢 *Ⅰ*
私は、見上げる。

「どうして、いるの?」

「それは、こっちの台詞だ
 
 お前、こんなところに
 居たのかよ

 探した・・・」

私は席を立ち、貴方の肩に
腕を回して抱きついた。

私の指は

貴方の汗ばむ髪に触れ

私の耳は

貴方の途切れる、荒い
息づかいを聞き逃さない

触れる貴方の全てから

私の事を
探していてくれた事を

感じ取る。

「探してくれて
 
 ありがとう」
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