青蝶夢 *Ⅰ*
「私は、貴方が好きです」

伊吹さんは、突然の私の
告白に、何も話さないまま
私を受け止める手を下ろした。

何も言わないという事が

貴方の答え・・・

私は、ギュッと
締め付けた手を緩めて
貴方から離れようとした。

その時、貴方の手が
私の背中に回り

そして、その腕で

私を、強く抱きしめた。

「ごめんな

 ヒイロ・・・」

やっぱり、貴方は

茅野さんの事を

愛している。
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