青蝶夢 *Ⅰ*
「同情なんて・・・
 そんなもの、俺は
 初めから、していない
 
 同情なんかで、お前を
 あの場所から連れ去れる程
 俺は、お人好しじゃない」

「じゃあ・・・罪悪感?」

「罪悪感・・・それも違う
 
 お前の手を放せないのは
 俺が、放したくないから
 
 ヒイロ、頼むから

 俺の、傍に居てよ」

「イブキさん?」

貴方は、今度は
優しく私を抱きしめる。

壊れてしまわないように・・・

そして、大きな手で

優しく、頭を撫でてくれる。

「俺は、ヒイロ
 
 お前を、愛している」

「・・・・・・」

私の頭の中は今、真っ白だ。
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