青蝶夢 *Ⅰ*
そんな、二人の姿を
反対側の歩道に立つ芳野は
見つめていた。

私達は、見つめる芳野の存在に
全く、気づく事は無かった。

二人だけの世界

誰も、邪魔できない・・・

私達は、見つめ合う・・・

ここに付くまでの距離が
じれったくて
じれったくて
堪らなかった。

貴方に、一秒でも早く
触れたかった。

私に、触れて欲しかった。

閉まるドア、鍵がかかる音と
共に、熱い口づけを交わす。

お互いに、お腹が空いている事
も忘れて着ている服を脱ぎあい
夢中になって相手を求める。

理性なんて、今の二人には
邪魔でしかない・・・
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