青蝶夢 *Ⅰ*
父は、私の食べかけの
グラタンの上に、海老を
どんどん、のせてくれた。

イブキ・・・

貴方も、父と同じように
私に、海老をたくさんくれる。

「イブキさん・・・」

「イブキでいいよ」

「・・・イブキ
 もしかして、エビ
 苦手?」

亡くなった父は、海老が
大の苦手だった。

貴方は、バレてしまったと
ばかりに照れた顔をする。

「やっぱり、分かったか?
 
 俺がエビが嫌いだって事は
 ヨシノには、絶対言うなよ
 アイツの大好物だから
 
 エビを食えない奴の
 気が知れねぇとか
 言い出して、無理やりに
 食べさせられるのが
 落ちだから・・・」
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