青蝶夢 *Ⅰ*
「あの部屋で
 彼女を抱くなんて
 
 イブキ、あなたって
 最低ね」

そう、あの部屋は元々
伊吹の部屋で二人が将来を
誓い合った場所・・・

彼女は冷たい瞳で伊吹を
見つめて言葉を続けた。

「何となく、分かってた
 あなたが、ヒイロちゃんに
 惹かれていることを・・・

 あなたが、彼女を見つめる
 瞳は、愛しい人を
 見つめる瞳」

「・・・カヤノ?」

「カレを見つめるように
 あなたは、彼女を見つめる
 ・・・
 
 彼女が、ヨシノの大切な子
 だって知った時、正直言うと
 私、ホッとしたの

 だってあなたが、私以外の
 女の事で、あんなに必死に
 なる事なんて、今まで
 無かったもの」

そう、あの日・・・
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