青蝶夢 *Ⅰ*
振り返らない
茅野さんと別れた後の伊吹は
普段どおり
何も変わらなかった。
ただ、いつもは朝食を
しっかりと取る貴方が
今朝は何も食べずに
珈琲だけを飲んで、職場へと
出掛ける。
玄関先で見送る私の頭を
貴方は優しく、軽く叩いた。
「ヒイロ、心配するな
俺は過去を振り返らない
お前と一緒に前だけを見て
歩いていくと決めた
だから、そんな辛い顔
しないで」
貴方の手が、私の頬に触れ
顎に触れて、俯く私の顔を
上げさせて、唇に
優しいキスをくれた。
幸せで、涙が出そう・・・
『過去を振り返らない』
私は・・・
嫌でも過去と
向き合わされる。
普段どおり
何も変わらなかった。
ただ、いつもは朝食を
しっかりと取る貴方が
今朝は何も食べずに
珈琲だけを飲んで、職場へと
出掛ける。
玄関先で見送る私の頭を
貴方は優しく、軽く叩いた。
「ヒイロ、心配するな
俺は過去を振り返らない
お前と一緒に前だけを見て
歩いていくと決めた
だから、そんな辛い顔
しないで」
貴方の手が、私の頬に触れ
顎に触れて、俯く私の顔を
上げさせて、唇に
優しいキスをくれた。
幸せで、涙が出そう・・・
『過去を振り返らない』
私は・・・
嫌でも過去と
向き合わされる。