青蝶夢 *Ⅰ*
その声に振り返ると

貴方が、そこに立っていた。

相変わらず

カッコ良過ぎるよ

ヨシノ・・・

「何、泣いてんだよ
 そんなに俺に
 逢いたかったのか?」

「・・・・・・」

「そんな訳ねぇか?
 捨てられた男になんか
 逢いたくないよな」

「・・・かったよ
 
 わたし、貴方に
 
 逢いたかった」

芳野へと伸ばした手。

その手を、貴方は掴み
引き寄せて

私をその腕に
抱きしめてくれた。

助けて・・・

「ヨシノ、お願い・・・
 私を助けて
 
 私、どうすればいいか
 分からないの・・・」
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