青蝶夢 *Ⅰ*
「私のせいで・・・
 こんな私
 
 ヨシノ
 嫌いでしょう?」

貴方は、即答する。

「ああ、嫌いだ・・・」

・・・そうだよね

やっぱり、嫌いだよね。

許せないよね、貴方の
大切なお姉さんを
私は泣かせた・・・

芳野に背を向けて俯く
私の瞳から、ポタポタと
涙が落ちた。

『嫌いだ』

そう言われても

しかたない・・・

「何か、分かんねぇけど
 わたしのせいで
 彼女が不幸になった的な
 言い種はやめろよ
 俺は、好きじゃない

 お前はただ、イブキを
 好きな気持ちに
 素直になっただけだろう?」
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