青蝶夢 *Ⅰ*
そう言えば、ヨシノ・・・

貴方は、私と伊吹との仲を
知っても、私をあの日のように
嫉妬の瞳で見つめる事は
無かった。

貴方が愛している人が
イブキではないのなら

カヤノさん・・・・・・?

病院で、私の答えが伊吹を
選んでいたら、貴方はあの瞳で
悲しく、私を見つめた・・・?

私の心の中には、ずうっと
貴方の真実の思いを知りたい
と思う、私は居続ける。

病院を出た私達は、タクシーに
揺られる・・・

芳野は黙ったまま、窓の外を
見つめているが、私の手を
ぎゅっと握り締めていてくれる

「大丈夫
 何も考えるな」

貴方の手が、そう言ってくれて
いるような気がした。

もう、考えるのはやめよう・・
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