青蝶夢 *Ⅰ*
「ちょっと待ってくれ・・・」

伊吹は、ボソっと告げた。

「話は、最後までちゃんと聞く
 その前に、酔いを醒ましたい
 珈琲を一口
 飲ませてくれないか?」

「ああ・・・」

時間だけが過ぎる・・・

席に戻った私の手に、芳野の
手が触れて、強く握ってくれた

伊吹は、珈琲をカップに
注ぎながら、頭の中を
整理していた。

俺と愛を誓い合った

秘色が、妊娠・・・

その、お腹の子供は

芳野の子供だと言う・・・
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