青蝶夢 *Ⅰ*
「ヒイロ
 俺のお前への想いは
 邪魔になるだけだな・・・」

「邪魔だなんて
 そんなことない・・・
 
 貴方に想ってもらえて
 私は、心から幸せだった
 
 全ては貴方と、こうなる前に
 妊娠している事に気づく事が
 できなかった、私が悪いの
 ごめんなさい」

「ヒイロ・・・」

「ヒイロ」

重なる声・・・

伊吹の声は、芳野の声に
掻き消される。

「・・・お前は何も悪くない
 
 イブキも
 お前を責めたりしない」

「ああ・・・
 責めはしない」
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