青蝶夢 *Ⅰ*
それは、私達の目の前で
伊吹の右側の瞳から
綺麗な涙が、一滴
頬を伝い、流れて落ちたから
・・・・・・

その涙に

芳野は、戸惑う・・・

「俺、何
 泣いてるんだろうな
 ・・・おかしいな」

伊吹は、両手で顔を覆う。

その涙に、動揺した
芳野の声が震える。

「イ、ブキ・・・
 ヒイロは、必ず
 俺が幸せにする
 
 だから、お前は
 何も心配するな」

伊吹の肩に、芳野は手を置いた

伊吹は、頷くだけで
もう何も話さなかった。
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