青蝶夢 *Ⅰ*
本当の伊吹は、まだ
混乱していて

二人の事を、受け止める事が
できない。

だけど、その想いを隠して

秘色と瞳が合えば
優しく微笑んであげた・・・

「イブキ
 俺達、行くわ

 行こう、ヒイロ」

一歩を踏み出す私に

聞こえた微かな声

「行かないでくれ・・・」

行かないでくれ・・・

その言葉は、いったい
誰に向けられているの・・・?

芳野と歩いて行く私の腕を

貴方は掴む。
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