青蝶夢 *Ⅰ*
そして、自分の方へと
引き寄せた。

強く強く、苦しいほど強く
伊吹は、私を抱きしめた。

芳野が見ている事になど
関係なく・・・

私を、その腕に抱く。

「ヒイロ
 ・・・行かないで」

「ごめんね、イブキ
 たくさんの愛を
 私にくれたのに・・・

 貴方を悲しませたりして
 ・・・

 私の事、ひどい女だって
 思って忘れてください

 貴方には、カヤノさんが
 いる、彼女はきっと今も
 貴方の事を待っている」

「ヒイロ、お前、まさか?」

「ううん、違うよ
 カヤノさんは関係ない
 私は、やっぱり
 ヨシノを愛して・・・」
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