青蝶夢 *Ⅰ*
私は、振り返って
芳野を見上げた。

貴方の手が、私の髪に
触れる。

「お前は、何も心配すんな
 当分は貯金がある
 これからは、お前が
 管理してくれ」

「うん・・・ 
 
 ヨシノ、ごめんね
 一人で快適に生活を
 送っていたのに
 私のせいで・・・」

「快適な生活
 コレがかぁ?
 こんな生活、意味もねえよ
 いつでも捨ててやる」
 
芳野は、ソファーへ私を
連れて行き、二人で
並んで腰を降ろした。
 
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