青蝶夢 *Ⅰ*
「でも
 ヨシノにばっかり・・・」

私を黙らせる為に、芳野は

私に口づけた。

口づけは、激しさを増す。

息ができない。

「ヨシノ、苦しいよ」

「やべぇ
 止まんなくなりそうだ」

ソファーから起き上がる
貴方に、私は抱きついた。

そして、貴方を見つめる。

貴方の綺麗な黒髪に
そっと、触れた。

「髪、伸びたね
 このまま伸ばすの?」

「いや、いい加減
 厭きた
 バッサリ切るわ
 心機一転?」

そう言って、貴方は笑う。
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