青蝶夢 *Ⅰ*
秘色は、澄んだ瞳で茅野を
見つめて告げる。

「何を言われても
 仕方ない・・・
 カヤノさん、あなたから
 イブキを奪ったのは、この私
 あなたに蔑まれるのは
 仕方ない
 だけど私は、イブキの事を
 心から愛していた
 その気もちは、嘘じゃない」

「可哀想な子・・・
 あなたに教えてあげる
 
 あなたが、愛してる人は
 あなたを心から
 愛してはくれない

 ヨシノも、イブキも・・・
 
 だって、二人は
 相手の想いに
 気づいていないだけで
 
 お互いに
 惹かれあっているもの」

やっぱり・・・

彼女が、そう言うなら

間違いない。
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