青蝶夢 *Ⅰ*
「イブキは、いつも話してた
 ・・・ヨシノの事を
 
 ヨシノが、ああで
 ヨシノが、こうで
 ヨシノが、ヨシノが・・・
 
 ずうっと
 ヨシノの話ばかり・・・

 私の隣で、イブキは
 とっても楽しそうに話すの
 
 それは、好きな人の
 話をするように・・・」

焼きもちを、焼いてしまう程。

私だって、伊吹に聞きたい事が
たくさんあるのに、聞けない。

芳野も、芳野で
話す事は、伊吹の事ばかり・・

二人は雰囲気、考えが
とても、よく似ていて
お互いに何ひとつ飾る事なく
素のままの自分を曝け出し
一番近くに居る事のできる
気心の知れた親友・・・

二人にとって、互いに
空気のような存在
無くてはならない存在
大切な存在・・・
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