青蝶夢 *Ⅰ*
「双子の私以上に、イブキは
 ヨシノの事を知っていた
 
 そして、二人で同じ夢を持ち
 二人で勉強に励んで
 二人で過ごす日々・・・

 私は、除け者のようで
 とても寂しかった・・・」

今にも、泣き出しそうな
悲しい瞳で彼女は呟く。

「だから、あの日
 わたしは、ヨシノになった
 
 ヨシノと同じ長さに
 髪を切って、男の子っぽい
 服装をして、イブキの前に
 立った・・・」

本当は、短い髪も好きじゃない

リメイク・ジーンズも
チェックのシャツも
黒い服も好きじゃない

だけど、伊吹に振り向いて
ほしかった。

私を見てほしかった・・・

その為には、芳野になるのが
一番いいと思ったの。
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