青蝶夢 *Ⅰ*
「ここで、俺達が 
 着替えっこすれば
 いいさ」

「うん、そうだね」

「楽しいな」

「うん、楽しいね」

祖母は、そっくりな二人を
見分ける事に、とても苦労
していた。

『違うよ』

と、言うと

『ごめん
 ごめん
 ごめんね』

と、何度も謝るのだった。

だから二人は、祖母に
間違えられた日は
二人きりで、こっそりと
洋服を交換した。

そんなある日

朝から上機嫌な母親は
二人に久しぶりに
関心を持った・・・
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