青蝶夢 *Ⅰ*
秘色が現われて、伊吹は
彼女に惹かれていった。

伊吹は、私に言う。

『カヤノ、すまない・・・』

「イブキにとって、あなたが
 特別な存在だって事は
 知ってる
 あなたの事を、心から
 愛している事も・・・

 ヨシノだって、そう・・・
 昨夜、あなたの事を両親に
 話すヨシノは、今までに
 見たことがない程に
 男らしくて、頼りがいのある
 一人の男性だった
 
 私の知らないヨシノ・・・」

「カヤノさん・・・」

「だからと言って、二人が
 惹かれあっている事には
 代わりはない

 今も、昔も
 変わらない想いが
 二人の中には潜んでいる
 胸の、ずうっと奥深くに
 ・・・」
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