青蝶夢 *Ⅰ*
「だけど、ヨシノに義父に
 逢ってほしくない
 この子の・・・
 父親かもしれない人に」

私を抱き寄せる芳野の
優しい声

「コイツの父親は俺だ
 俺しかいない
 心配するな、ヒイロ
 大丈夫だよ」

「でも、どうしても
 怖いの・・・怖いよ」

今、手の中にある全ての
幸せが、あの場所へ戻る事で
消えて無くなってしまいそうで

私は、怖くて堪らない・・・

彼の腕に抱かれて
泣きながら震える私。

「分かったよ
 じゃあ、取り合えず
 お袋さんだけには
 逢えるか?」

私は、小さく頷いた。
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