青蝶夢 *Ⅰ*
「アスカ・・・

 私に、誰かを愛する事なんて

 できるかなぁ?」

旅行鞄を手に持つ彼が
私の右手に触れる。

「さあ、行こう」

その手を、私は強く握り返した

私は、荷物を何ひとつ持たずに
出て行く。

思い出に残るのは
この制服と、携帯と
青い蝶のブレスレットだけ・・
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