青蝶夢 *Ⅰ*
心の中、見慣れた風景に
『さよなら』を告げる。

貴方が、ポツリと呟いた。

「ヒイロ
 あの時は、ごめん
 俺は、幼い君を・・・」

「イブキさん
 貴方は、何も悪くない
 
 貴方は、私の事を
 何も知らない
 それなのに
 謝る事なんて無い
 
 私は、貴方に感謝してます
 こうして、あの街から
 逃げ出す勇気が持てたのは
 イブキさん
 貴方のおかげです
 
 ありがとう」

彼は、胸の痞えが取れたように
微笑んでくれた。

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