青蝶夢 *Ⅰ*
私は、貴方を見つめて話す。

「意味も無く、歩いていたら
 いつの間にか
 あの場所に着いていて
 ・・・・・・
 残念な事に、青い蝶は
 どこにも見当たらなかった」

「ああ、もう、ずっと以前に
 一軒家が壊されて
 生前、祖母が大切にしていた
 庭の花も全て刈られて
 しまった」

「祖母って・・・」

「話してなかったかな?
 あの、ボロ屋は
 俺の祖父の家なんだ
 
 その跡地に建てられた
 あの、マンション
 所有しているのは
 俺の親父」
< 55 / 434 >

この作品をシェア

pagetop