青蝶夢 *Ⅰ*
私が中に入ると、そこには
上半身が肌蹴たシャツを
身に纏い、ジーンズの
ファスナーをしめる

見知らぬ男性がいた。

肩下のストレートの黒髪が

中性的な容姿に

とてもよく似合う。

「イブキ、急に帰って来て
 女との時間を邪魔したかと
 思ったら、今度は何?
 何なの、このガキは・・・」

「彼女は、ヒイロ
 ・・・従兄妹だ
 
 事情があって、当分
 ここで暮らすことになった
 だから、ヨシノ、お前は
 自分の家に帰れ」

「無理、今朝
 
 部屋引き払ったから」

彼は、持って来た
少しの荷物を指差した。
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