青蝶夢 *Ⅰ*
「隣の女になんか
 手、出して失敗した
 
 毎日、監視されて息が
 詰まるから、逃げて来た」

「お前・・・」

「いいじゃん、三人で暮らせば
 どうせ、少しの間だけだろう
 お前、三ヵ月後には
 結婚するんだし・・・」

結婚・・・・・・

私は、伊吹さんの顔を見つめた

「結婚するって本当ですか?」

「ああ」

「ごめんなさい
 
 私、そんな大切な時期に
 こんな事して・・・
 
 どうしよう・・・」

何も、考えずに

何も、持たずに

家を出て来た、私。
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