青蝶夢 *Ⅰ*
彼とは、芳野さん・・・

私は驚きのあまり、大きな声を
上げてしまいそうになったけれ
ど、その唇を手で覆った。

そして、声を飲み込む。

隣で眠る彼、芳野さんの
寝顔が、あまりにも綺麗で

起こしちゃいけないような
気がした。

このまま、寝かせてあげたい
と、そう思った。

私は、そっと、ベッドから
起き上がり、お手洗いへ・・・

そして、部屋へ戻る途中
私は、伊吹さんの姿を探した。

でも、彼はどこにもいない。

すると、私の視界に少しだけ
開いているドアが見えた。
< 77 / 434 >

この作品をシェア

pagetop