青蝶夢 *Ⅰ*
そのドアの中を、こっそり
覗くと、床にお布団を敷いて
伊吹さんが眠っていた。

伊吹さんの寝顔は少年のようで
幸せな夢をみているのか
口元が、緩んでいた。

彼の寝顔を見つめていると
私の鼓動は、ドキドキと
波打ち、胸がキュンとなる。

私は、慌てて伊吹さんの部屋を
出て、静かにドアを閉めた。

閉まるドアの前。

この胸の痛み・・・

知ってる。

幼い頃に感じた

痛みと同じ。

私は、今でも

伊吹さんが好きなの?
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