青蝶夢 *Ⅰ*
私は今
自分の頭の中を占領する
想いから逃れる為に

頭を何度も、左右に振った。

ううん、そうじゃない。

私は、誰も愛せない。

愛が何か

私には、分からない。

分からないから

愛が何か、知りたい・・・

私は、部屋に戻り
芳野さんが眠るベッドの
足元に座る。

肌寒い・・・

冷たい床に裸足で触れている
と、体の芯まで冷えていく。

私は寒さに耐え切れず
眠っている彼を起こさない
ように、布団の中に入る。
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