青蝶夢 *Ⅰ*
温かい・・・

私は、芳野さんに背を向けて
彼の寝息を感じながら
そのまま、瞳を閉じた。

時は、過ぎる。

布団の中、私を包む

彼の腕・・・

知らない感触に、私の体は
強張る。

離れなきゃいけない。

このまま流されちゃいけない。

起き上がろうとした私に

貴方は囁く・・・

「何もしないから
 
 少しだけ
 
 このままで・・・」

強張っていた私の体は

囁く、貴方の低い声に

どんどん、落ち着いていく。
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