青蝶夢 *Ⅰ*
ついさっき、抱かれそう
になった、男性の隣で
私は、横たわったまま
会話を交わす。

さっきまでの空気が嘘のよう

くちづけも

何も、無かったように・・・

「なあ?」

「・・・はい、イブキさんとは
 遠い昔、私が、幼い頃に
 出会いました」

「ふうん、家が近所なのか
 幼馴染?」

「いえっ、違います・・・
 
 あの日、あの時まで
 私は、彼の存在すら
 知らなかった
 
 でも、彼は
 私にとって、大切な人です」

「イブキの事、好きなのか?」
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