青蝶夢 *Ⅰ*
「俺と、カヤノが

 反対だったら
 
 良かったのかもしれない
 
 俺が、カヤノだったら・・」

遠くを見つめる貴方は
また、悲しい顔をした。

「きっと、お袋の腹の中で
 間違えたんだろうなぁ

 そのせいで
 下手すると、俺の方が
 女々しいぐらいさ」

「めめしい?」

「ああ、現に、今も俺は
 職にも就かずにその日ぐらし
 ふらふらと、女に甘えて
 生きてる訳で・・・
 
 そこらの女よりも柔弱かもな
 
 って何、お前に話して
 聞かせてるんだろうなぁ
 くだらない話し過ぎた」

貴方は、もたれていた体を
起こし、灰皿と煙草を手に持つ
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